仕事で上野にある国立西洋美術館に行ってきました。
28日まで開催されている「北斎とジャポニズム」。
会期終了が近いということで、会場は結構な混雑具合でした。
ちなみに、ジャポニスムとは、日本美術からヒントを得た西洋美術家や建築、音楽、文学、演劇など…19世紀後半の新しい創作活動。
最初、葛飾北斎の名前は知られず、絵だけが注目されていたということにびっくり。
西洋の奥行き感ある絵が日本人を驚かせ、北斎たちの単純な線の絵でありながら体の動きが良く描かれている表現に西洋美術家たちが驚き…双方が良いところを取り入れ合っていたようです。
この展示会では、葛飾北斎の絵がどのように西洋美術家たちの創作活動に取り入れられていったのかを解説しています。
影響を受けた西洋画家さんについても、その作品とともに解説。
ゴッホやモネ、カサット、ドガ、ゴーガン、スーラ、ガレなど…美術史ではそうそうたる名前がポンポン出てきます。
注目作品の一つであるエドガー・ドガ「踊り子たち、ピンクと緑」では、「北斎漫画」に出てくる人物のポーズが影響。
カサットの「青い肘掛け椅子に座る少女」も「北斎漫画」に影響を受けているそうです。
クロード・モネの「陽を浴びるポプラ並木」は「冨嶽三十六景 東海道程ヶ谷」と構図が似ており、木々が垂直にテンポよく並びそこから遠景が。
モネさんは北斎の作品を蒐集しているほど。
「冨嶽三十六景」においては、セザンヌの「サント=ヴィクトワール山」もそうですね。
同じモチーフを違った視点で繰り返し描く連作は、西洋ではとても斬新だったようです。
また、北斎は幽霊や妖怪画もたくさん書いており、それを西洋画家が描いているのも面白いです。
日本版と西洋版といった感じで、並べて置いてあるのでその違いや差が歴然としていました。
家具や水差しなども北斎の影響を受けていたとして展示されているのですから、それだけ北斎の影響力のすごさがわかるというもの。
日本だけでなく、世界にも大きな影響を与えた葛飾北斎。
これまで一緒に見ることがなかったので気が付きませんでしたが、並べてみると、なんと面白い発見だらけなことか!
また、こういった企画を見に行きたいものです。
できれば、花と…。
とても良い刺激になるのではないでしょうか。
く~…くやし๑`н´๑