独特の世界観!コミック版・世界の伝記「宮沢賢治」

先日受けた、四谷大塚のトップレベル特別集中講座。

国語でやった宮沢賢治の「注文の多い料理店」を、久しぶりにじっくりと読みました。
その奥深さとユーモラスな発想に、さすがだなぁ~と思ったりして。

宮沢賢治さんが描く物語の世界感を、もっと理解できるように、その背景を知った方がいいかな…と。
「コミック版世界の伝記 宮沢賢治」を購入です。

 

意外と放浪癖があり?

最初のページには、宮沢賢治さんに関係した地域が、地図と共に紹介されています。

体は弱かったのですが、意外とあっちへいったりこっちへいったりと、忙しい生涯だったようです。

やると決めたらとことんやる…そんな行動力がある方だったんですね。

 

タイトルページには宮沢賢治さんの写真。
写真でみると、活発な元気っ子って感じなんですが…。

 

登場人物は、家族が中心になっています。

特に、おとうさんと一番目の妹さんであるトシさんは、宮沢賢治さんの人生の中でも重要な人物だったようです。

 

作家・宮沢賢治の名作が生まれた瞬間

物語は、宮沢賢治さんが誕生するところから始まります。

実家が質屋で、市内でもかなりのお金持ち。
長男という事で、大切に育てられました。

小さい時から利発で、学校の成績も上々。
お父さんが仏教徒だったことからも、仏教講習会などに一緒に行っていたそうです。
ただ、のちに宗派の違いで喧嘩してしまうのですが、最後は和解します。

小学生の時から石集めが大好きで、「石っ子賢さん」なんてあだ名もあるほどでした。
大好きなだからこそ、体育の授業はまったくダメなのに、山登りでは誰よりも一番に登っていってしまうという…。
ある意味、すごい好き嫌いがはっきりしている方。

さすがに小学生で物語は書いていませんが、妹や弟たちに童話をよく読んでいてあげたそうです。

 

中学は寄宿舎に入り、ここでも石集めは健在。
天体に興味を持ち始めたのもこの頃です。

そして、卒業生である石川啄木氏の本に影響を受け、短歌を作り始めます。

 

また、この年になると、実家の質屋がどんなことをする仕事なのかを理解するようになり…それに嫌悪感を抱くようになります。

まぁ、純粋に大切に育てられたからこその反応だったのかな~…なんて思ったりして。

それが、中学卒業後に家に帰ってきたときに、父親とちょっとした喧嘩になってしまいます。

そんなゴタゴタがあり、妹・トシさんからのお願いもあり、最初はダメといっていた高校進学を許可。
農林学校に主席合格で通える事になります。

地質鉱学の授業や実習、山登りの合間に詩を書き、友人たちと文芸人誌を出版。
卒業後は、成績も良かったことから教授の助手として土の調査に加わることになります。
こうした体験が、宮沢賢治さんのお話の元になっていったようです。

 

ただ、体を壊してしまい実家に戻ることに…。

横になりながら、童話を書き、妹や弟に読んであげています。
この時に書かれたのが、「蜘蛛となめくじと狸」「双子星」です。

 

その後、回復するものの、今度は妹・トシさんが肺炎で入院。

さらに実家の家業に馴染むことができず、日蓮宗にの傾倒して父親と喧嘩し、ついには家を出て行ってしまいます。

働きながら一人暮らしし、恩師からの助言で本格的な創作活動をスタート。

 

その後、お父さんと仲直りしますが、妹・トシが肺結核で入院。

宮沢賢治さんは高校の先生になり、合間に童話を書いてトシさんに読み聞かせてあげます。

「注文の多い料理店」もこの頃に書かれました。

が、トシさんは闘病の末、亡くなります。

 

その後、宮沢賢治さんは樺太に旅行に行くのですが、その時の体験からできたのが、かの有名な「銀河鉄道の夜」です。

自費で本を出版しますが、さっぱり売れず…。
農作業の現実を知り、教師を辞めて農民になります。

もちろん、その間も童話を書き続け、子どもたちに読み聞かせていました。
自分が作った童話をイーハトーブと呼び始めたのもこの頃だったようです。

 

宮沢賢治さんの肥料への造詣の深さから、肥料の営業に誘われてすることになるのですが…もともと体が丈夫だったわけではないので、倒れてしまいます。

それから2年間、寝たり起きたりの闘病生活になるわけですが、その間にこれまでの童話を手直ししたり、詩を書いたりと活動は続けていました。

有名な詩「雨ニモマケズ」が作られたのはこの時です。

そして、1933年、37歳という若さでに亡くなってしまいます。

宮沢賢治さんが書かれた童話や詩は、兄弟や詩人の先生など…たくさんの人の協力で広められていきます。
お話の最後は、偶然、トランクに入っていた手帳に書かれた「雨ニモマケズ」の朗読で締めくくられます。

 

名作と今日まで語り継がれてきた童話や詩を書いた人物の背景を知ると、また読んだ時に違った印象があります。

今回、宮沢賢治さんの伝記を読んで、あのほんわかとした中にある優しさや強さの理由が、ちょっぴりわかったような…。

巻末には、宮沢賢治さんの解説が掲載されています。
写真もあるので、イメージもつかみやすい。
宮沢賢治さんの作品を読む前の、おすすめの本です♪

 

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