“言葉で伝える”について考える「言葉屋~言箱と言珠のひみつ~」

言葉屋 言箱と言珠のひみつ [ 久米絵美里 ]

価格:1,080円
(2019/1/28 10:28時点)

朝日小学生新聞連載されていた、朝日学生新聞社児童文学受賞作「言葉屋~言箱と言珠のひみつ~」。
かわいらしいイラストの、言葉を題材にした物語です。

普段、何気なく口にしている言葉。
その一つ一つが大事なものであり、丁寧に紡いでいく事が大事なんだなと改めて考えさせられました。

ついつい乱暴な言葉使いをしてしまいがちな事を深く反省させられた、自然と丁寧な言葉について考えさせられる作品です。

また、言葉だけでなく、小学5年生の主人公の日常と気持ちも丁寧に書き込まれています。
小学生が読めばリアルに、大人が読めば懐かしい自分の子ども時代を思い出し、子ども目線で気が付かされることもあるのではないでしょうか。

 

「言葉屋~言箱と言珠のひみつ~」はこんなお話

以下、紹介文↓


小学5年生の詠子のおばあちゃんの仕事は、町の小さな雑貨屋さん。

……と思いきや、おばあちゃんの本業は、「言葉を口にする勇気」と「言葉を口にしない勇気を提供するお店」言葉屋だった!

ひょんなことから言葉屋の成り立ちと使命を知ることとなった詠子は、その夏、言珠職人の見習いとして、おばあちゃんの工房に入門する――。

*「言葉屋~言箱と言珠のひみつ~」帯より抜粋


 

「言葉屋~言箱と言珠のひみつ~」は、4章仕立てです。

第1章:言葉屋工房入門

初めて同じクラスになったしぃちゃんと仲良くなった詠子。
しぃちゃんの誕生日プレゼントを探しにおばあちゃんの工房に忍び込んだのをきっかけに、言葉屋について知り、見習いとして習う事になりました。

詠子の初仕事は、しぃちゃんへの言珠プレゼント。
でも、言珠にはある特性があり…。

第2章:「お世話になります」のつめ合わせ

詠子が店番をしていると、一人のサラリーマンが来店。
スマホを見ながら、言葉を注文。
どうやら会社の上司に言われて来たようです。

店主である祖母が戻るまで待っていてもらうのですが、その間に写真を撮ってSNSに載せようとしたりと、まさに現代っ子の見本のような行動(自分も読んでいて方腹痛し…)。
言葉屋の存在を知っているものの、その本当のところは知らない様子です。

そんなサラリーマンは、まるで現代社会を表しているかのよう。
言葉について、おばあちゃんが痛快に説いていきます。

第3章:オシャレ戦争

どのクラスにでも必ずと言っていいほどいる、定番キャラ。
おしゃれな女の子グループ!

おしゃれについて決めたルール。
最初はクラス中の女子で盛り上がっていたけれども、次第にギスギスした雰囲気を作っていきます。

そんな状態について、おじさんに相談する詠子。
おじさんからのアドバイスで、オシャレ戦争を食い止める手段を見つけます。
果たしてその結果は?

第4章:一言惚れにご用心

きっかけは、オシャレ戦争。
きれいな文字で書かれた、差出人不明の手紙でした。
そのメッセージを嬉しく思う詠子は、大切にしまっておきます。

そんなある日、クラスの男の子から本を貸してほしいとお願いされます。
後日、返却された本には、鉛筆で丁寧に書かれたメッセージが添えられていました。
その字は、まさに差出人不明の手紙の文字とそっくり!

でも、他にもそっくりな文字を書くクラスメイトが!?
差出人不明の手紙の持ち主は、果たしてどっち?

 

「言葉屋~言箱と言珠のひみつ~」の登場人物

登場人物はこちら!

古都村詠子…主人公。しっかりとした言葉使いをする、小学5年生の女の子。大人しくてシャイ。言葉屋の修業を始める。
古都村うた…詠子のひいおばあちゃん。雑貨屋を営みつつ、本業は言葉屋。
読おじさん…マンションの屋上にある小屋に住む、詠子の叔父さん。

椎名さん…しぃちゃん。ボーイッシュでスポーツが得意な元気な女の子。
須崎哲平くん…しぃちゃんの幼馴染。習字教室を営むおじいちゃんがいる。
片岡瑠璃羽ちゃん…おしゃれな女の子。
桐谷伊織くん…物腰がやわらかい男の子。詠子の読書友達。

藤居さん…おばあちゃんのお友達。

竹内さん…上司の命令で言葉屋にきた新人サラリーマン。
影山さん…竹内さんの上司。おばあちゃんと知り合い。

 

まるでぽかぽかと温かい、ひだまりのような本。

主人公の女の子が素朴で、言葉屋のおばあちゃんのしゃんとした言葉使いや態度が見習いたくなります。

詠子ちゃんと同じく、読んでいる読書も言葉について考えさせられつつ、おばあちゃんに鍛えられそうです。

 

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